平成28年度 山形県高等学校社会科教育研究会総会

並びに第62回研究大会(於 南陽市文化会館)

 6月8日(水)、南陽市文化会館にて、県高社研の総会・研究大会が行われました。地元開催ということで、会場準備から片づけまで、担当の先生方、お疲れさまでした。一昨年までの2日開催から1日開催に変わったわけですが、丸一日充実した研修ができたと思います。


施設見学(南陽市文化会館)

 今回会場となった南陽市文化会館はギネスにも認定された、世界的にも価値の高い建造物です。せっかくの機会でもあるので、総会終了後に、職員の方から施設の見学・説明をしていただきました。

 内容はコチラの巡検報告に載せてあります。


講演「地域を切り口に考える主権者教育」

講師:原田謙介 氏(NPO法人YouthCreate代表)

 研修の午前の部では、施設見学に続き、主権者教育に関する講演をお聞きしました。18歳選挙権が適用される参院選を間近に控え、まさに旬の話題であり、参加者全員興味津々で聞き入っていました。講師の原田さんは文科省と総務省が発行した副教材「私たちが拓く日本の未来」の執筆者ということもあり、内容も実践的で、明日からさっそく使えそうな事例も紹介していただきました。昨年の公職選挙法改正から様々な研修が行われており、管理人は副教材執筆者の方から講演を聞くのは原田さんで3人目で、毎回本当に良い勉強になっています。

 講演の詳しい内容はコチラの主権者教育のページに載せてあります。


研究発表「庄内地域を題材とした地域研究」

 研修の午後は、部会ごとの研究発表が行われました。今年度の地理部会は、飽海支部が発表担当です。全体の大テーマは「庄内地域を題材とした地域研究」ということで、前回の発表からテーマは変えず、継続して「地域を考える」ことを重視したとのことです。

 

(発表テーマ)

「コンパクトシティを考える ~中心市街地の活性化は可能なのか~」

 ・・・最近話題の「コンパクトシティ」をキーワードに、その成功事例や課題などを調査した内容の発表でした。山形県内でも、中心市街地の空洞化が進む地域が増える中、考えさせられる発表でした。

 

「酒田港と産業振興」

 ・・・リサイクルポートの指定を受けた酒田港の貨物取扱量などについて調査した研究でした。数年前の県高社の巡検で酒田港を見学した記憶があり、興味深い内容でした。

 

「新聞を活用した調べ学習による地域理解」

 ・・・興味のある新聞記事を選び、それについて自分で調べ深めていく学習の実践例でした。一方通行の授業でなく、自分で興味を持ったものについて、自分で調べていくスタイルは、様々な場面で取り入れていきたいと思いました。

 

「酒田光陵における防災教育 ~3Dプリンタの活用~」

 ・・・工業高校らしく、今まさに話題の3Dプリンタを活用し、分かりやすく指導するための研究でした。実際に作成した模型を見て、3Dプリンタのすごさをあらためて感じました。

 

「酒田光陵における防災教育 ~光陵が避難所になったら~」

 ・・・酒田市のハザードマップを活用した授業の実践報告でした。通学路をマップに書き込ませ、学校が避難所となった場合の課題などを考察させる内容で、とても参考になりました。

 

「庄内の食文化と食育への取り組み」

 ・・・地元の食文化への興味・関心を問うアンケートを実施し、その内容を分析した発表でした。調理に関する学科がある学校ということで、学校の特色が出ている発表でした。

 

「庄内地域の交通網の整備について」

 ・・・日沿道や新庄・余目道路など、庄内地域の高規格道路の整備についての研究でした。置賜地区では、縦軸となる南陽ー上山と米沢北ー福島は開通見通しが発表されていますが、横軸となる南陽ー小国ー村上はまだまだ未整備の状況にあり、自分たちの地域に置き換えて考えさせられる内容でした。